読書の秋! 読むなら「本屋大賞」ノミネート作品がおすすめ

「〇〇の秋」とさまざまに表現される秋。この秋は何をして過ごしますか? 映画や音楽鑑賞も良いけれど、この時期は「読書の秋」がおすすめ。どれか分野を決めて読み始めるのもいいですが、せっかくなら旬の作品を読んでみませんか。書店員がその年イチオシの本を決める「本屋大賞」の、2020年ノミネート作品をダイジェストでご紹介します。

全国の本好きな書店員が選ぶ「本屋大賞」

「本屋大賞」は、直木賞や芥川賞のように作家や評論家が文学的な要素を評価して決定する、いわゆる「文学賞」とは違い、新刊を扱う全国の書店員による投票で選出されるもの。1次投票でまずノミネート作品が絞られ、2次投票で受賞作が決定します。書店員は本当に面白いと思う作品を薦める、まぎれもない「本のプロ」。そんなプロに選ばれる作品ですから、ノミネートされるだけでも“アツい”んです。

1年をかけて選ばれる本屋大賞2020年受賞作品をチェック

2020年で第17回目を迎えた「本屋大賞」。ノミネート発表からおよそ半年の期間を経て受賞作が決定します。次回、2021年度の本屋大賞が決定するのは2021年4月。どんな作品が頂点に立つのか楽しみですね。今回は、今年度の大賞作品とベスト5に輝いた作品をご紹介します。

大賞:流浪の月/凪良ゆう著


発行元:東京創元社/発売日:2019年8月

多くの書店員が「一番売りたい本」として支持したのが、凪良ゆうさんの「流浪の月」でした。「祝福もされないし、理解もされないけれど、どうしても一緒にいなければならないふたりの関係を描いたこの作品は、一気に世界に引き込まれてしまいました」と、本屋大賞実行委員の高頭さん。再会すべきではなかったかもしれないふたりがもう一度出会った時、疾走し始める運命。新しい人間関係への旅立ちの描写が見事です。

第2位:ライオンのおやつ/小川糸著


発行元:ポプラ社/発売日:2019年10月

若くして余命を告げられる主人公が、瀬戸内の島のホスピスで余生を過ごす中で見出す本当にしたかったこととは。すべての人にいつか訪れることを温かく描き出した物語です。

書店員が作成する作品紹介のポップには「二度とない人生、その終末を穏やかに過ごしたい…誰もが望む優しく、温かい物語」、「軽やかに心に沁み込んでくる。こんな優しい物語に私はもう出会えないと思います」、「さりげない日常のありがたさ、生きることの尊さがひしひしと伝わってくる」などなど、作品に対する愛おしさが感じられるコメントばかりです。

第3位:線は、僕を描く/砥上裕將著


発行元:講談社/発売日:2019年7月

投票した書店員の理由に「水墨画が紙面に生まれる瞬間の描写が、息が止まるほどに美しい」といった声が多く上がった本作品は、なんと著者にとってのデビュー作。難しいテーマに思える「水墨画」の世界が独特の感性で描かれ、気づいたときにはもう世界に入り込んでしまっています。水墨画の素晴らしさを伝えながら、青年の成長の記録を表現した必読本です。

第4位:ノースライト/横山秀夫著


発行元:新潮社/発売日:2019年2月

理想の家に住むはずだった一家が謎の失踪を遂げ、その家にはぽつんと置かれた一脚の椅子が…。2020年12月にTVドラマ化も決定している本作品は、警察小説の第一人者として多くのファンを持つ横山秀夫さん史上、「最も美しい謎」と絶賛されています。「読み終えた後の燃え立つような感情を一生大事にしたい」、「人生の苦さを突き付けられるリアリティのある教本」など、書店員の評価も上々です。

第5位:熱源/川越宗一著


発行元:文藝春秋/発売日:2019年8月

店頭で「すごいの、出ました」、「圧倒的!」と、端的でありながらダイレクトに興奮が伝わるポップが多く見受けられたのがこちらの作品です。「私的には直木賞候補!」という書店員もいたほどで、そして本当に第162回の直木賞を受賞しています。未開拓のアイヌの地で力強く生きる人の姿、エネルギーがただただ格好良く、文明や民族、生きることについても考えさせられる話題作です。

超発掘本:無理難題が多すぎる/土屋賢二著


発行元:文藝春秋/発売日:2016年9月

「本屋大賞」は、過去1年の間に刊行された新刊本の中から決定しますが、番外編として「発掘部門」というカテゴリーも。刊行年は問わず、これまでに出版された本を対象に、「時代を超えて残る」、「今読み返しても面白い」と思う作品が選出されます。本作品は「週刊文春」の連載コラムをまとめたもので、発刊は2016年。

ある書店員のポップには「毒にも薬にもならない」と大きく書かれ、「でも、すこーし心が軽くなります」とも。日常では、小さなことにイライラしたり、嫌気がさすようなこともありますが、そんなことはどうでもいいんじゃないかと思えてしまう、サプリメントのような1冊です。タイトルに惹かれた方はぜひお読みください。

わくわくする本を見つけて、心地よい秋を楽しみましょう

ゆったりとした時間を満喫するのは、現代人にとって実はもっとも難しくて贅沢なこと。アクティブに秋を過ごすのも一案ですが、カフェや公園に出向いて静かに本の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。もしもあなたが書店員なら、どんな本を大賞に選ぶかを考えながら新しい作品を探し出すのも楽しいですよ。

※書籍以外の画像はイメージです。
※2020年10月現在の情報を掲載しています。

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