スマホの電源切り忘れで思わぬ高額請求に…!原因と予防策を徹底解説

 

スマートフォンのデータ通信費を低く抑えられる格安SIMが人気です。すでに使っている方、検討中の方も多いと思いますが、注意していただきたいのが、電話の切り忘れが原因の長時間通話による高額請求トラブルです。

「身に覚えがない通話時間が記録された請求書が送られてきた…」

「電話をしたのは間違いないが長時間の通話をした覚えがない…」

といった相談が増えており、なかには数十時間の連続通話となってしまい10万円以上を請求されたケースも!

そこで今回は、高額請求で慌てる前に知っておきたい、スマートフォンの通話切り忘れの原因と予防策についてお伝えします。

「通話終了ボタン」の押し忘れと「誤発信」に注意

スマートフォンで電話をかける際に使用する「通話アプリ」は、機種や設定、OSによって異なりますが、基本的に「通話終了ボタン」をタップしないと通話が終了しません。

「ホームボタン」や「戻るボタン」を押すと画面からアプリが消えるため、通話が終了したと考えてしまいがちですが、アプリ画面が隠れただけで実際はずっと通話状態を維持しているのです。

また、「電源ボタン」を押せば通話が切れるフィーチャーフォンに慣れている方は、スマートフォンも「電源ボタン」を押すことで通話が終了すると勘違いしてしまいますが、通話を切ることはできません(初期設定の場合)。

通話を切り忘れたとき、運悪く相手も操作ミスで通話を切らないとずっと電話がつながったままになってしまい、高額請求の原因になってしまうのです。

そして、切り忘れと同じように注意したいのが、ポケットやカバンのなかで画面になにかが触れて勝手に電話をかけてしまう誤発信です。スマートフォンを取り出したら勝手に発信していて焦ったり、友人からガサゴソとしか聞こえない無言電話がかかってきたりした経験のある方は少なくないでしょう。

格安SIMは、5分または10分のかけ放題プランを利用しない場合、通常20円/30秒の通話料がかかりますので、10分で400円、30分で1200円、1時間で2400円もの通話料がかかってしまいます。

「格安SIMで通信量を節約するハズが手痛い出費になってしまった…」といったことにならないよう、スマートフォンの操作をしっかりマスターし、これから紹介する防止策も取り入れてください。

予防策①電源ボタンで通話を切れるように設定する

スマートフォンの操作と通話アプリの使い方をマスターすれば、誤操作の確率はかなり減りますが、人間誰しもミスはあるもの。「うっかり通話終了ボタンをタップし忘れてしまった…」「通話を切ったつもりだったのに繋がっていた…」ということを防止するため「電源ボタン」で通話を切れるよう設定して、切り忘れを防止しましょう。

●Androidスマートフォン

電源ボタンを押すと通話が切れるように設定することができます。設定方法は、「設定」> 「ユーザー補助」と進み、「電源ボタンで通話を終了」をタップして選択するだけです。

●iPhone

スリープボタンで通話を切ることはできません。必ずアプリ内の切断ボタンをタップして通話を終了させてください。

予防策②誤発信を防ぐための対策をとる

誤発信によるムダな通話、長時間通話を防止するには、指紋認証や顔認証、PINコードなどによる画面ロックを設定するのが一番手軽な対策となります。スマートフォンのセキュリティも向上しますので、必ず設定しておきましょう。

そのほか、できる対策としては……

●電話アプリは1枚目のホーム画面に置かない

●ワンタップで発信できるショートカットを使わない

●液晶カバー付きケースの利用

●誤発信防止アプリの導入

といったものがあります。

誤発信防止アプリは、発信時に再確認画面が表示されたり、設定した通話時間になると通知したり自動で切断することができるアプリです。ただし、すべての端末で正常に動作する保証はありませんので、具体的なアプリは紹介しません。興味のある方は、「Google Play(Android)」や「App Store(iPhone)」で検索してください。

身に覚えがない高額請求の対処方法

もし、身に覚えがない高額請求が届いたら、まずは明細とお使いのスマートフォンの通話履歴を確認します。もし、明細と通話履歴が合致した場合は、操作ミスなどによる切り忘れの可能性が高く、請求額通りに支払わなければなりません。

「明細を見ても心当たりがない」「通話履歴が確認できない」「明細と通話記録は合致するが納得できない」といった場合は、通信会社のカスタマーセンターやサポートセンターに連絡して相談してみましょう。ただし、通信会社側のデータに発信と通話時間の記録が残されている限り、免除や減額になる可能性はかなり低いようです。

その理由ですが、通信会社側では通話の内容を知ることはできず、誤魔化して支払いを逃れようとしているのか、本当に切り忘れだったのかを判断することができないということがあります。もしそれが0時間を超えるような常識外の長時間通話であっても、勤務時間中の長時間通話であっても例外ではありません。また、たとえば子供が勝手に電話したといったように、契約者以外が無断で使用していた可能性が考えられるからです。

例外として、システム障害、ネットワーク障害などが発生していた場合や明らかな誤請求の場合は、免除や減額の対応となります。また、分割払いなどの相談は受けてもらえる可能性があります。

どうしても納得できない場合は、消費生活センターに相談する、弁護士に相談するといった方法もありますが、過去の事例から判断すると料金の支払いが免除される可能性はかなり低いようです。

格安SIMでスマートフォンを利用することが怖くなってしまうような内容だったかもしれませんが、通話の正しい切り方さえ覚えてしまえば長時間通話による高額請求の可能性はほとんどありません。

もし、初心者や高齢者に格安SIMのスマートフォンを渡す場合は、しっかりと操作を説明し、必ず電源ボタンで通話が切れる設定にしておきましょう。