セキュリティ面も安心な「生体認証システム」のあれこれをリサーチ!

そなえる

少し前までスマートフォンのロック機能といえば、PINコードやパスワード、パターンが一般的でした。

しかし、最近になって指でタッチしたり、顔に向けるだけといった、手軽なロック機能を搭載したスマートフォンが続々登場しています。

これらは、「生体認証」と呼ばれる技術で、従来の方式よりも安全性が高いことから、スマートフォンだけでなく、さまざまな機器や場所で利用が拡がっています。

そこで今回は、この「生体認証」について解説します。

生体認証の種類をリサーチ!

生体認証は、ひとりひとり違う体の特徴を使って認証する方法です。指紋や顔、虹彩が一般的ですが、ほかにもいろいろな方式があります。

方式によって特徴があり、それぞれメリット・デメリットがありますので、まずは生体認証の方式について紹介していきます。

●指紋認証

指紋で認証する方式で、古くからある技術のためノウハウが蓄積されています。多くのAndroidスマートフォンやiPhone 5s以降に採用されるなど、現在もっとも普及していますが、センサーを欺く技術も発達しているため安全性はやや劣ります。

●掌紋認証

掌の皮膚隆起線、つまり手相を使って認証する方式です。センサーなどにタッチする必要がないというメリットがある反面、光の加減や皮膚の状態によって精度が落ちたり、加齢による変化で認証できなくなるなど課題があります。

●静脈認証

指や手の平などの静脈のパターンを使って認証する方式です。近赤外線をあてて身体内部の構造を読み取るため偽造が困難で、安全性が高いことが特徴です。経年変化の影響も少なく、精度も高いため、銀行が採用しています。

●虹彩認証

虹彩とは、瞳孔を取り囲んでいる色の薄いドーナツ状の部分のことです。虹彩の模様は人によって異なるため、これを利用して認証します。かつては機器が高額という問題がありましたが、技術の発展でスマートフォンにも搭載されるようになってきました。

●網膜認証

眼球の奥にある網膜の静脈パターンを使って認証する方式です。偽造が困難で安全性は高いのですが、大掛かりな装置が必要になるため、あまり普及していません。

●耳介認証

耳介とは、耳の飛び出している部分のことです。形状に個人差があるため、これを利用して認証します。研究途上ですが、いずれ実用化されるでしょう。

●顔認証

顔の凹凸、瞳と瞳の間の距離、小鼻の幅、ほくろの位置といった顔の特徴をデータ化して認証に使う方法です。「iPhone X」の「Face ID」ほか、さまざまな場所で活用されていますが、帽子やメガネなどで認識率が低下したり、双子を区別できない可能性があるといったりする欠点もあります。

●声紋認証

声の特徴を周波数で表す「声紋」を使って認証する方式です。風邪を引くなど喉の調子が悪いと認識率が低下しやすいという欠点があります。

生体認証のメリット・デメリットとは?

従来の暗証番号やパスワード、PINコードなどによる認証では、忘れてしまうと本人が認証できなくなってしまう可能性がありました。また、パスワードなどが盗まれることで悪用される可能性があり、実際、悪意のあるハッカーのさまざまな攻撃によって、認証が突破されてしまう事例も多発しています。

そこで、そういった危険性が低く、かつ手軽に使える生体認証が、スマートフォンやパソコンのロック解除、建物や部屋などの鍵、出入国審査といった機器や場所で、広く使われるようになってきました。

ただし、生体認証なら100%安全かというとそうではありません。どの生体認証でも本人の生体情報が盗まれてしまうと突破されてしまう可能性があるのです。

たとえば、指紋はもっとも盗まれやすい生体情報の一つで、偽造することもかんたんです。実際に指紋認証が複製された指紋で突破されるという事例もあるので、完璧ではありません。もっと単純な例では、iPhoneXの顔認証が一卵性双生児の双子によって突破されてしまったという話もあります。そのほかの認証方式でも、多かれ少なかれ欺く方法が見つかっているのです。

また、生体認証の場合、パスワードのように自由に変更することができないため、一度複製されてしまうと対策の施しようがないという大きなデメリットもがあります。また、加齢による変化、怪我や病気などによる部位の欠損などによって、認証できなくなってしまう可能性もあります。ほかの本人確認手段によって、再認証できるようにはなりますが、パスワードなどと比べると面倒な手続きが必要です。

とはいえ、生体認証はやはり便利で安全性の高い技術であることはまちがいありません。まだまだ発展途上のため、上記のような欠点がありますが、いずれ技術の進歩によって改善していくことでしょう。

生体認証は「決済」のセキュリティも向上させてくれる!

現金による支払いから、クレジットカード、電子マネー、スマートフォンアプリと進化してきた決済手段ですが、さらに生体認証を利用したサービスも登場しています。

Liquid社が2015年に長崎県のハウステンボスでスタートした「Liquid Pay(リキッドペイ)」は、指紋認証を利用した決済システムで、指一本で買い物ができるという画期的なものです。

Liquid(公式サイト)​

このサービスは専用機器を使って指紋情報を登録し、スマートフォンアプリなどからクレジットカード情報を登録して紐付けることで、指紋だけで決済できるようになります。これによりカード紛失や不正利用のリスクを大きく下げることができ、利便性と安全性が高まりました。

そのほかにも、Zwipe社がマスターカードと提携して発表した「指紋センサー搭載の非接触型クレジットカード」は、指紋データをカードそのものに記録したものです。外部に指紋のデータを登録する必要がなく、指紋をスキャンするだけで決済可能という画期的なカードになっています。こちらも、カード利用者にとっても店舗にとっても安全性と利便性が高いシステムになっています。

Zwipe(公式サイト)

そのほか、銀行が静脈認証に対応したATMを設置しているほか、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)では、年間パスポート購入時に顔を登録することによって、入場時の顔認証によって年間パスポートの使い回しを防ぐといった活用事例もあります。

このように、利便性と安全性を兼ね備えた生体認証は今後さまざまな分野で活用が見込まれる技術です。

そう遠くない未来に、現金もクレジットカードもスマートフォンも使わずに、お店での買い物やレストランでの食事、電車の乗り降りまで、生体認証でできてしまう時代がくるかもしれませんね。

今後、生体認証はますます拡がっていくことは間違いありません。

スマートフォンでの利用だけでなく、紹介したサービスや銀行ATMなど、利用できる機会のある方は積極的に利用してみてはいかがでしょうか?

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