32bit版と64bit版は何が違うの?<パソコンの選び方>

Windowsには32bit版と64bit版がある

Windowsは同じバージョンであっても、32bitと64bit版が販売されていることをご存知でしょうか。

「Windows XP」が登場した時代(2001年頃)の主流は32bit版でしたが、現在の最新バージョン「Windows 10」では64bit版に移り変わっています。

そもそも「bit」とは?

bit(ビット)とは、パソコンが扱うデータの最小単位のことです。

コンピューターの世界では、データを扱うとき、普段よく使っている1、2、3……という10進数といわれる表現ではなく、「0」か「1」で表現される「2進数」を使います。すべての情報を電気信号の「0(オフ)」と「1(オン)」の組み合わせでデータ化していて、それを、コンピューターの頭脳である「CPU(中央処理装置)」が処理をするという仕組みになっているのです。

2進数における<1桁の数字>は0と1の2通りです。10進数と比較してみるとわかりやすいかもしれません。

10進数 2進数
0 0
1 1
2 10
3 11
4 100
5 101

 

1bitは「2の1乗(2を1回かけた数字)」、2bitは「2の2乗(2を2回かけた数字)」という具合に、bitの前の数字が大きくなればなるほど、扱える情報量が増えていきます。

一般的に「64bit版の方が性能が良い」と言われていますが、二つを比較してみると64bitの方が多くの情報を扱えるため、「64bitの方が性能がよい」とされているのです。実際に計算した結果を見てみましょう。

32bit(2の32乗)⇒ 4,294,967,296
64bit(2の64乗)⇒ 18,446,744,073,709,600,000

64bitの方がはるかに大きなデータを扱うことができることがわかりますね。

しかし、64bitの方が性能がよくても、場合によっては32bit版のWindowsの方が適していることもありますので、確認が必要です。これについては後述します。

扱えるメモリ容量に違いがある

パソコンに積むことのできるメモリ(データを一時的に記憶する場所)は、32bitでは4GB(ギガ・バイト)まで、64bitではそれ以上に対応することが可能です。64bit版の「Windows 8」や「Windows 10 Home」では、128GBまでのメモリに対応しています。

「GB」のB(byte・バイト)は8bitを1とする単位で、G(ギガ)は10億を意味しています。

1 Byte(バイト)= 8 bit
1 KB(キロ・バイト)=1,000 Byte
1 MB(メガ・バイト)=1,000 KB
1 GB(ギガ・バイト)=1,000 MB
1 TB(テラ・バイト)=1,000 GB

 

32bitの場合は、計算通り4GB(4,294,967,296 B)のメモリで対応できます。一方、64bitについては、パソコンのハード上の限界から、理論値よりもずっと少ない、128GBという容量にとどまっています。

HDDも扱える容量に違いがある

パソコンのデータの保管場所であるHDD(ハードディスクドライブ)も、bit数によって対応できる容量に違いがあります。32bitでは2TBまで、64bitではそれ以上の容量を扱うことが可能です。

OSで動かすソフトウェアにも、32bitと64bit版のものがあります。32bit版のOSでは、64bit版のソフトウェアを動かすことはできません。また、32bit版のソフトウェアの中には一部、64bit版のOSでは動かせないものがあります。

パソコンに入っているWindowsがどちらなのか確認しよう

自分のパソコンのWindowsが32bitと64bit版のどちらなのかは、お使いのパソコンの「システム」情報で確認することができます。「32ビット オペレーティングシステム」とあれば32bit版、「64ビット オペレーティングシステム」とあれば64bit版です。

▼Windows XP / Vista / 7 向け

「32 ビット版」と「64 ビット版」の見分け方|ブラザー

 

近年のWindowsの主流は64bit版

近年のOSの主流は64bit版となっているので、これからWindowsのパソコンやOSを購入しようとする方は、特別な理由がないのであれば64bit版を購入しましょう。64bit版の方が32bitと比較してより多くのデータ量を扱えるので、マシンパワーを実感することができるからです。

特に、メモリを多用する動画や画像編集のソフトを使いたい方や、多数のソフトウェアを同時に起動させて使いたい方などは、より大きな容量のメモリとHDDに対応できる64bit版を選ぶことをおすすめします。

32bit版のWindowsの方が適している場合もある

一方、使用したいパソコンが搭載しているHDDが100GB以下であったり、メモリが2~3GB程度であったりする場合では、64bit版のOSでは負担が大きく、動作が重くなってしまう可能性があります。また、古いパソコンの周辺機器やソフトウェアを継続して利用したい場合も、64bit版のOSにしてしまうとそれらが対応できず、動かせなくなってしまいます。

上記のような事情があるのであれば、32bit版のWindowsを利用しましょう。

特別な事情がなければ「64bit版」のWindowsパソコンを購入しよう

現在売られているWindowsのパソコンは、ほとんどが64bit版のOSを搭載しているでしょう。購入の際には、まず手持ちの周辺機器やソフトウェアの継続して使用するのか、新しいものに買い替えるのかを検討してから、安定して利用できる64bit版を購入しましょう。

また、32bit版から64bit版のOSにアップグレードを検討している場合には、手持ちのパソコンが64bitに対応できるのかを、忘れずに確認してくださいね。

※2020年1月現在の情報を掲載しています。製品・サービス内容についての詳細は、各販売・提供会社へお問い合わせください。