スマホ選びや不具合への対処のポイント! RAMとROMの違いを知ろう

 

スマートフォンを使っていて、動作が遅いと感じたことはありませんか? その理由は実装メモリの不足にあるのかもしれません。もしあまりにも不調だったら、まずは使っている端末の「メモリ」を確認してください。

しかるべき対処をしたり、あるいは買い替えを検討してみる必要があります。ただ、簡単に「メモリ」といっても、スマホの性能を表す「メモリ」には“RAM(ラム)”と“ROM(ロム)”という2つの種類があり、果たす役割が大きく異なります。

不調時の対処の仕方も、スマホ選びの際の基準にするにも、それぞれの正しい意味を知っているといないとでは大違い。今回は“RAM”と“ROM”の正しい情報とともに、スマホの挙動をサクサクとスムーズにするコツもご紹介します。

購入時のヒントにも! 使い方に合うスペックの正しい見方

Appleから発売されているiPhoneとは異なり、Androidのスマートフォンはさまざまなメーカーからたくさんの機種が発売されています。選択肢は多いものの、その分、選び方に悩んでしまいがちですよね。

画面のサイズ感は実際に持ってみて比較するのが良く、カメラの性能にこだわるなら画素数や解像度などを見て処理性能が高いものを選ぶのがベストです。

そしてもう一つ注目したいのが、スマートフォンに実装されている「メモリ」の数値。性能=スペックを示す欄を見ると、“RAM”という項目と“ROM”という項目があり、ともに「GB(ギガバイト)」という単位で表示されているため混同しがちですが、それぞれが示す性能は、まったく違うものになります。

スマホの“作業性能”を知りたいときはRAMをチェック

“RAM”は、アプリの読み込みやWebページの閲覧など、スマートフォンの瞬間的な動作をスムーズに作動させる、一時的な記憶領域の大きさを示します。数値が大きいほど一度に多くの作業をすることができるため、調べ物やデータの処理だったり、スマホでゲームをプレーしたりすることが多いといった方は実装RAMのメモリ容量が大きいものを選びましょう。現在、普通に使う人向けには2~3GBくらい、ハイエンドな機種で6~8GBくらいのものが販売されています。

極端な例えかもしれませんが、大きな冷蔵庫やパントリーに豊富にある食材で一度にいくつもの料理を作ろうとしても、キッチンの作業スペースが手狭だと材料を並べることも、同時にいろいろな作業をすることも難しいですよね。この作業スペースの大きさが、メモリと呼ばれる“RAM”のことです。

実装されているRAMの容量が大きい=作業スペースも広くなるので、アプリやカメラの操作と動画の視聴などを同時に行っても、効率よく作業することができるのです。“同時に作業を行うことなんてない”と思うかもしれませんが、SNSなどをチェック中に、連絡がきたLINEなどに返信し、そのやりとりの中で出てきた動画を見たとします。

この時、画面上には動画だけが表示されていたとしても、裏ではSNSやLINEなども引き続き動いています。RAMの実装メモリが少ないと、切り替えや動画の読み込みが遅くなります。

RAMの容量は増やせません。でもスマホの遅さを改善したい場合は

“RAM”は、クラウドサービス等で容量を分散させることができません。もし作業スピードが遅くなっていると感じたら、前に開いたアプリを自分で停止することで作業効率はスムーズになります。また、さまざまなアプリは使っていない時でも自動アップデートやデータの同期、新着メッセージの取得などを行っています。

頻繁に使うアプリの設定ではおすすめしませんが、使用頻度の低いものに関しては、設定の中でアプリの通知を開き、バックグラウンドデータをオフにすることで挙動の遅さを改善する方法などもあります。ただし、新着メッセージ通知がないと不便になることもあるので、日常の使い勝手をチェックし、使いにくい場合はまたオンに戻しましょう。

たくさんのデータを保存しておきたいならROMに注目

写真や動画、音楽、文章などを保存する量を表しているのが、“ROM”です。ストレージ容量とも呼ばれ、スマートフォンの中にどのくらいストック(保存)できるスペースがあるかを表しています。

一般的に「16GB」や「32GB」「64GB」「128GB」などの数値のものがあります。写真をたくさん保存したい方や、大量に音楽のダウンロードをしたい方、また多くのアプリをインストールしたい方は、この“ROM”の容量が大きいものを選ぶと良いでしょう。

また、画像などのデータやアプリが多くなりすぎると、「ストレージが足りません」という表示が出ることもありますが、そんな場合は使用していないアプリの削除や写真の整理のほか、インターネット上にデータ保存できるクラウドストレージサービスなどを利用することで、容量の少なさをカバーすることが可能です。

定期的なキャッシュ削除は、RAMにもROMにも効果的

端末の使用年月が長くなると、実装されているRAMやROMの容量にかかわらず、キャッシュが溜まってしまいます。キャッシュとは一時的なデータや履歴のことで、Webブラウザで良く見るページを一時保存し、再度開く際にスムーズに表示させる役割があるのですが、このキャッシュが溜まることでアプリの動作に支障をきたすことがあります。

これは、スマートフォンだけでなくパソコンでも起きることで、特にネット検索する際に使用するブラウザや、LINEなどのコミュニケーションアプリ、TwitterなどのSNSアプリなどはキャッシュが溜まりがち。定期的にキャッシュ削除をすることで動きがスムーズになります。このキャッシュ削除をしてもアプリのデータが初期化されるわけではないので安心してください。

お使いの機種により削除の仕方は異なりますので、自分の端末のキャッシュ削除の方法はWebなどで検索してみてください。

「何がしたいか」を整理してRAMとROMをあらためてチェック

自分のスマホが不調という方は、上記を参考に、一度対処してみてください。また、買い替えを検討している方は、RAMとROMの数字にあらためて注目してみてください。

作業性能がハイスペック=高性能なら、その分スマホはサクサクと動きますし、たくさんのデータを保存したい方はROMが大きいものを選びましょう。

ただ、それぞれ必然的に本体価格は高くなってしまいますので、RAMとROMの違いとともに、“自分が何を重視するか”をあらためて整理してみてください。