介護福祉士の報酬改定について詳しく解説! 2019年はどうなる?

はたらく

介護報酬改定で介護職の処遇改善が進められる

「給料が低い」「採用率が悪い」「仕事内容がハードだ」というように、どちらかというとマイナスなイメージの強い介護職ですが、高齢化が進む現代にとって必要不可欠な職業です。家族の介護のため働けなくなる「介護離職」をゼロにするためにも、介護福祉士の増加や離職率を下げることは、今の日本において重要な課題とされています。今回は介護職の処遇改善のための報酬改定について詳しく解説していきます。

介護福祉士の報酬改定の目的は「介護離職ゼロ」を目指すこと

安倍政権は「1億総活躍社会」を掲げていますが、それを実現するためには「介護離職ゼロ」を目指さなければいけません。この介護離職ゼロというのは「介護職を辞める人をゼロにする」という意味ではなく「親や家族の介護のために会社を辞める人をゼロにする」という意味です。介護離職は年間で10万人に及び、高齢化が進む現代では今後も増加すると予想されています。

介護離職をゼロにするためには、介護が必要な人を介護施設に預けることができる環境づくりが大切になってきますが、そのためには介護福祉士を増やす必要があります。そこで介護福祉士の報酬改定を行うことで介護士の数を増やし、さらには介護福祉士の離職率を下げようとしているのです。

介護職の給料は他の職業と比較して低い

介護福祉士は、体力も必要であり神経も使う仕事なのでとても大変です。しかし介護福祉士の月給は他の仕事に比べて低い傾向にあり、それが原因で介護福祉士を離職したり目指すのを諦めてしまう人も多いのです。

この現状を改善するべく政府は約1,000億円規模の財源を投入し、介護福祉士の報酬改定を行うことで介護福祉士が働きやすい環境づくりを進めようとしています。

介護業界は縮小し、介護福祉士の数や採用数が減少している

高齢化が進み政府が「介護離職ゼロ」を目指す上で、介護福祉士はとても大切な存在だといえます。なぜなら介護福祉士が不足すると、介護が必要な人を受け入れる環境を整えることができないからです。

しかし介護福祉士試験の受験資格が取りづらくなったことなどが原因で、介護福祉士の数は年々減少しつつあります。また介護福祉士の資格を取得しなくても介護の仕事に就くことはできるので、わざわざ介護福祉士の資格を取らなくてもいいと考える人も増えているようです。

さらには介護施設側の介護職員や訪問介護員の採用率も低下しているため、世間の介護職に対するイメージが下がるばかり。介護福祉士の報酬改定は介護職のマイナスイメージを払拭し、介護職のイメージアップにも繋がると期待されています。

2019年の介護福祉士の報酬改定の内容について

これまでも処遇改善加算により、すでに1ヶ月で最大37,000円の賃上げが実施されています。しかしこれではまだ介護職の離職率を下げることができず、2019年の報酬改定ではさらなる賃上げが提案されました。

その内容は2019年10月に勤続10年の介護福祉士を対象に、月の給料を8万円アップするというもの。月の給料が8万円もアップすれば、多くの人が「処遇が改善された」と感じ、離職率が低下すると考えたのです。働く上で給料というのは大切なポイントの一つなので、報酬改定を機に「介護職に就こう」という人も増えるのではないでしょうか。

介護福祉士の報酬改定が抱える問題点について

この介護福祉士の報酬改定にはいくつかの問題点があります。

まず、報酬改定の対象となるのは「勤続10年以上」の介護福祉士という条件があります。しかし、介護福祉士の平均勤続年数は6年であり、報酬改定の対象になる介護福祉士というのは実はそれほど多くないのです。

改定により現在介護福祉士として働いている人の離職率を下げることはできるかもしれませんが、これから介護職に就こうという人はそこまで増えない可能性も考えられています。とはいえ、介護福祉士として10年以上働いている人にとっては、ありがたい政策になるでしょう。

賃上げ分が全額支払われない可能性もある

先ほど、介護福祉士の報酬改定により、月の給料が8万円賃上げされると説明をしました。しかしこの8万円というお金は、実は国から直接介護福祉士に支給されるわけではありません。国から支給されたお金は、まず介護福祉士が働いている介護事業所に入ります。

介護事業所にお金が入ると、各介護事業所は雇用している介護福祉士に対してどれくらい賃上げをするか判断し、お金を支給する仕組みになっています。なので全ての介護事業所の介護福祉士が月8万円の賃上げがされるとは断言できないのです。

介護福祉士の勤続年数や評価、さらには介護事業所の経営状態によっても給料の賃上げが左右されてしまうのです。

現介護職も今後介護職を目指す人も、報酬改定について理解しておこう

介護福祉士の報酬改定については、現在介護職で働いている人はもちろんのこと、これから介護職を目指している人もぜひ理解しておくべき内容です。
「月8万円の賃上げ」を実施する介護福祉士の報酬改定は素晴らしい政策ですが、一方で全ての介護福祉士に平等に実施されるわけではないという問題点も指摘されています。

今後の日本を支える重要なポジションにいる介護福祉士が、今よりももっと気持ちよく働ける環境が整っていくことを期待したいものですね。

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